川田 きし江様から 茶 畑 が 続 く 新 緑 の 河 東           慶尚南道河東 (韓国)

 
川田 きし江様から 茶 畑 が 続 く 新 緑 の 河 東           慶尚南道河東 (韓国)
<地球スケッチ紀行 160> 2016年 3月15日号
 
 茶 畑 が 続 く 新 緑 の 河 東
          慶尚南道河東 (韓国)
 
 慶尚南道にある河東(ハドン)は、韓国南西部晋州(ジンジュ)
から西へ30KMほどのところにある。
 
 鎮安(ジナン)を水源とする蟾津江(ソムジンガン)は、約
200Kmほど流れて南へと注ぐ湖南(ホナム)地方の大きな川
で韓国五大河川の中で最も水が澄んでいる。白砂青松と呼ばれ
る千本松は18Cにこの地に植えられて300年もの間川の流
れだけを眺めてきた老木で、天然記念物でもある。
 
 花開川の岸辺は緑に輝く「野生茶」の木が植えられている。
河東は韓国で最初にお茶の木が植えられたところで、新羅(シ
ルラ)の興徳王(フンドクワン)時代の828年、唐に赴いた
金大廉(キムデリョム)が種を持ち帰って植えたと伝えられて
いる。
 
 歴代の王がお茶を愛飲したので、王の緑茶と言われてきた。
 
 智異山(チリサン)の麓にある双磎寺は、曹渓宗25教区の
中、13教区を治める本山である。さらに4Kmほど山奥に入
ったところに七仏寺(チルプルサ)が建っている。海抜800
mにあるこの寺は,駕洛国(カラックク)の太祖、金首露王
(キムスロワン)の七王子がこの場所で修業し悟りを開いたと
言われているところでもある。
 
 智異山で焼き畑をする人々は山菜、農家の人は穀物や米、漁
師は魚を売るために野を越え、山を越え、川を遡って市場に出
かけて行く。
 
 ヨメナ忘れな草シラタマギクといった山菜や、ウコンや
ツルドクダミなどの薬用植物、梅や柊の苗木などが売られてい
た。
 
 品物を並べながら.五日市は十日に二回開かれ、地元の人は
親交を深めあっていた。
 のんびりとそびえる山の向こうに太陽が沈んでいった。夕焼
けに染まる水面がギラギラと輝き、シジミ漁に出て行った船が
入り江に戻ってきた。
 河東名物のジェチョブクク(シジミ汁)はあたたかく体の芯
にしみ込む味であった。

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